2012年2月23日木曜日

渡辺明竜王は、何故竜王戦に強いのでしょうか? 皆さんのご意見をお聞かせ下さい...

渡辺明竜王は、何故竜王戦に強いのでしょうか?



皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

宜しくお願いします。


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竜王戦に強い、と思われるのは、「順位戦に比べて」引き立っているということなので、逆に

「なぜ渡辺竜王は順位戦ではそれほど圧倒的ではないのか?」を考えると彼の実力の本質が見えるのではないでしょうか。



順位戦と竜王戦、この棋戦の性質を比較対照させれば、「渡辺竜王の竜王戦での実力の性質」がはっきりしてきます。

竜王戦はたしかに6連覇していますが、防衛を5回続けているだけです。

渡辺将棋の一番の特徴は、データベースを使った、相手の棋風の徹底的な解明と、

対応策の用意です。2日制の竜王タイトル戦で封じ手戦略を発動し、宿舎で高性能ソフトを

使った徹底的な膨大な研究手順の解明、終盤までの可能性の追求を施していることが

防衛の大きな原動力となっている との推測も出ていますが、それはひとまずおくとします。



さて、「同じ相手と短期間に7回勝負する」ことと、「異なる相手7人と勝負する」ことは、全く違います。

データベースを使った研究で徹底的に相手を解剖してしまうと、多少新手を出したところで、研究範囲に

すっぽり相手が納まってしまいます。同じ相手との勝負が繰り返されれば繰り返されるほど、「紛れの負け」

がしにくくなるわけです。結果、同じ相手との勝率は上がります。



ところが、いくら対戦相手が1年前から決まっている順位戦でも、毎回相手が違えば、その事前研究による

「相手を自分の射程内に納めているが故の勝利」は、毎回毎回の一回きりで終わってしまうわけです。

一人の相手の研究を10時間すればよい竜王戦に比べて(たとえばの話です)、

順位戦で7人と戦って勝ち越すには、一人当たり10時間として70時間研究しなければならないわけです。

時間は竜王にも平等ですので、竜王が竜王戦の7倍順位戦にいそしむとなれば別ですが、

仮にそれを実践したとしても、それだけ勝ちにくくなるわけです。

というより、勝つ効率が悪くなるわけです。自分の努力に対して。



効率という意味で言えば、タイトルを持っていれば、他の6大棋戦にもシードで出れますし、たった一人の

竜王戦挑戦者の研究に集中すれば、その短い労力で、棋界最高の4600万円の賞金が手に入ります。

かたや、順位戦での研究は、1度きり、その対戦相手にしか報われない、それが12倍もの労力をかけさせることに

なるわけで、仮に竜王戦7番勝負なみに、勝率6割以上(これは竜王戦なら余裕で防衛です)の勝ち越しを決めたとしても

昨年のように、昇級も出来ず、7勝の努力が徒労に終わるわけです。それでいて、A級にあがれば名誉はあるかもしれませんが、

給料が年間180万円ほどアップするだけで、優遇されたシードの恩恵にあずかれるわけでもありません。



利にさとい竜王のことですから、こうした対費用効果をかんがみるに、客観的には研究時間の点で、主観的には意欲の面で、

順位戦での勝率を 竜王戦での勝率なみにあげることことができない、のでしょう。



B1級は9勝3敗(勝率75%!)でも昇級できないのはザラなのですから。

ですから、防衛力がある、というわけではなく、相手を限定して、入念な準備と研究をした場合に勝ち越す棋士、

それが渡辺竜王の実態でしょう。



満遍なく全ての棋戦に集中し、勝ち越し、多くのタイトルを取り、それがゆえに順位戦を勝ち抜いて名人戦になる羽生さんとは、

タイプが違うのですね。名人戦が、あらゆる棋士としての技能を試される総力持久戦、と捉えれば、竜王戦は、局地で瞬発力勝負をする短期戦ということもできます。



別の見方をすれば、



「教科書の指定されたページの範囲内から出題される期末テストで80点を取ること=竜王戦防衛」

「どの分野のどの問題が出されるか全くわからない模擬試験で80点を取ること = 順位戦昇級」



「相手を事前に十分な時間を取ってビデオで研究し、傾向と対策を見極め、自分の戦法をはっきり決められ、

明確に一対一でリングの上で戦うボクシングでトータルで勝つこと=竜王戦防衛」

「一人を倒しても、自分を切り替える間もなく、次から次へと場外から別の相手が乱入してきて、自分のペースを守ることができないのにも関わらず、コンスタントにプロレスで勝つこと=順位戦昇級」



異なる素質なわけですから、同じ勝率を残すことは難しいですよね。



渡辺竜王は、羽生名人同様、若さの勢い、瞬発力を生かして竜王は奪取しましたが、それはある意味他のトーナメント制

棋戦での勝ち抜きと同じ1タイトルに過ぎません。



連続勝ち抜きを継続させた末のタイトル奪取を複数同時に実現すること、と、単一タイトルの防衛



どちらが確率的に難しいか、を考えると、順位戦の力と複数棋戦での展開力を軽視して、単一タイトルの防衛に

走っている竜王は、竜王タイトルを失ったときに、初めて自分に足りないものを必死に身に着けようとするのかも知れません。



( ・ω・)



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渡辺明は強い!決して竜王戦だけではありません。



渡辺竜王が竜王の防衛をするため、他の棋戦は手を抜いている?

考えられない!ありえない。

もし、そうであるなら渡辺は現役棋士最強で羽生など屁のような存在

ということである。



渡辺竜王の収入は7000万くらいで5000万くらいが竜王戦の収入だ。

竜王でなくなれば、収入は2000万以下に下がる。



もし、竜王を守り抜く絶対の自信があるならそれでもいいが、相手は羽生

などの非常に強い棋士もいる。

当然、負ける可能性もあるので、他の棋戦で勝てるときに勝っておかないと

負けたときに厳しいことになるだろう。



渡辺は非常に勝率が高く、今期も0.735で全体の2位。

通算でも0.6789でトップ棋士連中の中では羽生、木村に次ぐ3位。

ここ5年では0.657で羽生の0.663とほとんど差がない。

非常に強い棋士だ。



タイトル戦の予選にはここで負けたら終わりという対局が結構ある。

それを突破するのは運も必要だろう。

実際、羽生名人も去年の竜王戦の時に言っていた。

「竜王戦の予選を突破するのは大変で、来年も挑戦できるとは限らない。」と



もし、渡辺竜王がタイトル戦の予選を突破してくると、挑戦者では最強棋士となるだろう。

近い将来二冠、三冠もありえるだろう。


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2日制で時間があるので、読みに費やす時間を相当確保できるのでしょう。

但し、羽生名人との竜王戦第7局最後の1分将棋を制したのは見事でしたが。



現在は羽生名人以外のA級棋士はタイトルを持っておらず、B1にタイトルが集中しています。

全棋士参加棋戦でもB級2組在籍の棋士が優勝しており、A級=圧倒的最強階級にならなくなっているようです。

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